二十六匹目 レッサーパンダは 綾なす!?

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子どもは家の手伝いをするのが当たり前、お駄賃なんてもってのほか!--と言う尊母の方針で、自宅のコンビニを手伝ってもバイト代所かお駄賃さえ貰えない尊。 最近は消費税の値上がりで、小遣いだけで遣り繰りするには、かなり厳しい時代になったし。 だからまあ、内職をしていると思えば、良いよね。 俺の行動総てが母さんに筒抜け、と言うのは頂けないけど。 でも母さんは、心配なんだよね? だって俺達家族、ずっと一緒だったんだし。 なのに、俺が離れてしまったから。 だから、そんな些細な事で母さんが安心していられるなら、悪くはないよね。 尊の懐も、潤うし。 「持ちつ持たれつ、よ」 と笑う母さんに、俺も笑い返した。 「わたしだったら、濡れ手で粟のがいいわ」 和美さん? 「ついでに粟は、和泉から貰いたいけど」 和美さんったら、俺から幾ら搾り取る気? と問えば和美は、むふふと悪そうに笑うだけで、答えなかった。 「かずみん、程々にね?」 母さんが、然り気無い助け船を入れてくれたけど、和美にはききそうも無いな? このままでは俺は、財布同様にすっからかんになるまで和美にたかられそうだ。
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