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どうしたもんかと頭を悩ませていたら、
「和美、あまり和泉にたかる様なら、香織姉にチクるぞ」
と伊織が脅しを入れてくれた。
む"〰と和美が口を尖らせ、
「香織姉を引き合いに出すなんて、卑怯よ!」
更に頬まで膨らませ、伊織に抗議した。
『和美の負けだね』
くすりと笑って、父さんが口を挟む。
直後。
「煩いわね、放蕩親父!」
バシリと伊織父の手共々、力一杯和美に叩かれる父さん。
「痛い!」
と声を上げたのは、伊織父のみ。
父さんはケロッとした顔で、和美を見上げていた。
まあ触れると言っても、所詮は幽霊だし。
痛覚とか、ないのかも。
って、あれ?
父さん、ちょっと大きくなってないか?
「え?」
俺の呟きに、伊織父は慌てて父さんを目の高さまで持ち上げ、まじまじと父さんを眺めた。
「た、確かに、10センチ位成長している様な……」
いつの間にやら、倍になってるね?
『それはね?』
ぶら下がり父さんは、語り出す。
『お父さんの力が、戻ってきているからだよ』
ならこのままいけば、あっという間に元のサイズに戻ると?
『勿論』
答える間も地味に伸びてた。
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