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上杉って、自己申告が好きだなぁ~
不良って自己申告も、珍しいけど?
だね?
でも――
「不良さんにしては、真面目に見えるね?」
「制服も綺麗に着てるし、髪も染めてないし?」
と、俺と尊が声に出して感想を告げると、南が悪そうな顔して笑い出した。
「上杉は抜けてるから、見た目で売られた喧嘩を買い続けるうちに 『最強』 とか言われ出しただけで、本人は不良とは思ってないのさ」
「えっ、でも今自己申告したよ?」
「そう見られるから、先に言っただけだろ。 授業に出ないのも、周りから怖がられるからだ」
なんーだ、上杉って真面目なのか。
じゃあ、授業出ないのって、辛いんじゃない?
そうだねぇ~、辛いと言うより、つまんないかもね?
ちょっと、可哀想~
だねぇ~
何とかならない?
ゔ~ん……
「……和泉、尊……お前達、以心伝心して何を企んでる?」
考え込んでいたら、警戒心も露に伊織が問い掛けてきた。
「「企むなんて、人聞きの悪い!」」
抗議する俺達を、伊織は疑わしそうにじとりと見下ろす。
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