七匹目 レッサーパンダは 躍る!?

38/48
前へ
/3000ページ
次へ
「お前達がそう言う顔をして以心伝心している時は、ろくな事を考えてないと決まってるぞ?」 「「ひどっ!!」」 失礼な! でも、まじで、上杉を何とかしてあげたいな。 あげたいねぇ~ そうだ! 何? 「せっかく仲良くなれたんだから、席が近いと良いよね?」 「あ、良いね?」 んー、あ、いたいた。 俺は、俺の後ろの席の田村を見つけると、上杉と佐伯の手を引き剥がす。 そして、クッキーを1袋手にして、班が決まったらしい田村に歩み寄る。 で、席替えをお願いした。 クッキーで! 田村は、まあ悪い席ではないので、早速荷物を纏めてくれた。 「こうちゃん、席替えだよ。 こうちゃんは俺の席、俺はその後ろの席に移動するから」 不思議そうに上杉は、俺の言葉通りに自分の席から鞄を持って来た。 俺は俺の席から後ろの席に、荷物を移動させる。 「俺が前だと、見えないぞ?」 気遣う上杉は、やっぱり良い奴だ。 「大丈夫。 この席は、魔法の席なのだ」 「魔法?」 頷いて、俺は説明してあげる。 「先生からも生徒からも死角になる、魔法の席なんだよ」 上杉は不思議そうに、首を傾げた。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1078人が本棚に入れています
本棚に追加