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「お前達がそう言う顔をして以心伝心している時は、ろくな事を考えてないと決まってるぞ?」
「「ひどっ!!」」
失礼な!
でも、まじで、上杉を何とかしてあげたいな。
あげたいねぇ~
そうだ!
何?
「せっかく仲良くなれたんだから、席が近いと良いよね?」
「あ、良いね?」
んー、あ、いたいた。
俺は、俺の後ろの席の田村を見つけると、上杉と佐伯の手を引き剥がす。
そして、クッキーを1袋手にして、班が決まったらしい田村に歩み寄る。
で、席替えをお願いした。
クッキーで!
田村は、まあ悪い席ではないので、早速荷物を纏めてくれた。
「こうちゃん、席替えだよ。 こうちゃんは俺の席、俺はその後ろの席に移動するから」
不思議そうに上杉は、俺の言葉通りに自分の席から鞄を持って来た。
俺は俺の席から後ろの席に、荷物を移動させる。
「俺が前だと、見えないぞ?」
気遣う上杉は、やっぱり良い奴だ。
「大丈夫。 この席は、魔法の席なのだ」
「魔法?」
頷いて、俺は説明してあげる。
「先生からも生徒からも死角になる、魔法の席なんだよ」
上杉は不思議そうに、首を傾げた。
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