七匹目 レッサーパンダは 躍る!?

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「いっちゃんのお気に入りの席なんだよねぇ~」 尊が笑いながら、付け加えた。 「一番目立ちそうな席なのに、一番目立たない席なんだって。 しかも後ろの席からは、ちゃんと黒板が見えるって」 「へぇー」 感心したような声を漏らしたのは、神崎だった。 「和泉って、変わった見方するんだね」 いや、普通だと思うよ? 「神崎の――」 「真澄ちゃんって呼んで」 ニコニコ、とっても良い笑顔で神崎が言う。 …… ……俺の知らないところで、ちゃん付けが流行ってるのか? 「いっちゃん、それはないと思うよ」 えっ、だって上杉といい佐伯といい、終いには神崎までちゃん付けを強要してきたよ!? 流行りじゃないなら、なんでなの!? 「こうちゃんは、俺といっちゃんがそう呼んでいるからだと思うよ」 「さ、とーくんは?」 「こうちゃんに真似て、だよね?」 尊が確認するように、佐伯を見上げる。 「斗真のは、焼きもちだよ」 佐伯よりも先に、神崎が答えた。 「ひょっこり現れた上杉に、和泉と尊をとられそうだったしね」 ……そこまで懷かれた? 喜ぶべきか、嘆くべきか……? う~ん
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