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でもまあ、好かれるって、悪くないよね?
うん、良い事だよ!
「よしよし!」
目一杯背伸びして佐伯の頭を撫でてあげると、上杉が屈み込んで頭を向けてきた。
上杉の頭も撫でてあげると、強面系イケメンの顔にふんわり優しい笑みが浮かぶ。
ああ、やっぱり上杉って、芯は優しいんだなぁ。
優しさが、全身から滲み出ている。
兄ちゃんズに、本当よく似てる。
佐伯も、キリッとした爽やかイケメンのくせに、ふにゃりんとした可愛い笑顔になっちゃって――
「2人共、すっごく可愛い!」
つい口に出して言ったら、教室内がしんとしてしまった……
なんだろう、空気が冷たい。
氷の様に、ひんやりヒヤヒヤする。
「えーと、俺、何かいけない事、した……?」
恐る恐る尊に訊いてみると、尊はぷっと吹き出し、直ぐにけらけら笑い始めた。
「いっちゃんったら、いっちゃんたら――」
喋る尊の笑い声が、けらけらからゲラゲラにレベルアップした!
「2メートル近い2人をつかまえて 『可愛い』 なんて言えるの、いっちゃんだけだよ」
腹を抱えて爆笑しながら言う尊に、うんうん、と皆が賛同している。
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