1079人が本棚に入れています
本棚に追加
「本当にいっちゃんって、凄いなぁ」
まだ笑いながら、尊は言う。
それは、誉めているのか?
「誉めているに決まってるでしょ、いっちゃんは俺の自慢のいっちゃんなんだもの」
尊……自慢の俺って、なに?
「いいのいいの、いっちゃんはわからなくても」
そう言う尊の頭に、伊織がポンッと手をのせた。
そして、ぐしゃぐしゃと乱暴に撫で繰り回す。
伊織、それは、尊を誉めているのか?
「そうだな、尊が和泉を誉めるのなら、尊は俺が誉めてやる」
?
よくわからん。
わからんが……ちょっと待て!!
「伊織、俺と以心伝心した!?」
「「だから、喋ってるって!!」」
尊と南に、激しく突っ込まれた!!
やだ、もう、恥ずかしい~
「和泉、茹で蛸~ 可愛いぃ~」
訳の解らない呟きと同時に、神崎が俺をもぎゅりと抱き締めて来た!!
視界の端で、スッと尊がペンケースを握ったのをとらえた俺は、慌てて神崎の腕から逃れ出た。
何事もなかった様に、ペンケースを机に戻す尊。
笑顔が、ちょっと黒いぞ。
「和泉、サービス悪いよ~」
俺に逃げられて不満気な神崎だが、尊の魔手から助けてあげたんだぞ!?
最初のコメントを投稿しよう!