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尊の頬に、そっと手を添える。
「ふひゅう~」
尊は奇声を発しながら、俺の手に掌を重ねた。
「いっちゃんの手、冷たくて気持ちいーい~」
「たけちゃんのほっぺた、あっついねー」
そこで俺は、額の湿布を剥がして、尊の右頬に貼ってやる。
ぷっ、と誰かが笑いを堪えながら吹き出した。
音のした方を見やると、クッキーが慌ててそっぽを向いた。
む゙〰とクッキーを睨みながら、尊の額の湿布も剥がして左頬に貼ってやる。
その瞬間、クッキーが盛大に笑い出した!!
「青丸! 紫丸! 二重丸ーッ!!」
教壇をバンバン叩きながら、大爆笑するクッキー。
何を、そこまで笑う?
確かに俺と尊の額には、青と紫で象られた缶の跡がくっきり残っているが、そこまで笑う程のもんじゃないぞ?
しかも担任なら普通は、大丈夫かと労るもんじゃないのか!?
それを大爆笑って……教師の風上にも置けない奴だ!!
額に青と紫のまだらの丸痣、両頬に湿布を張り付けた尊が、無表情にペンケースを手にした。
尊の双眸は、真っ直ぐクッキーを捕らえている……
尊の迎撃システムが、発動しようとしている。
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