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「和泉っ! お弁当っ!」
ガラリッピシャリと物凄い戸の開閉音と共に、次いで俺の前に現れて片手を差しだしたのは、全く似てないけど俺の双子の妹の 和美(カズミ)。
二卵性の双子にしても、全く似てないってドウユウ事?――って位似てない妹。
人類の神秘だ……
身長だってさ、俺がやっと165なのに、和美は175もありやがるぅ~
がさつだけど、スラリとした抜群のスタイル、茶髪茶目の俺とは異なり、腰まであるサラサラストレートの黒髪は艶々してて、ちょっとキツメの黒い目もくっきりしてて、母さん似の整った顔立ちはやはり綺麗で……頭も良いし、我が妹ながら嫌味な子だ。
「ぶつぶつ言ってないで、早く出して!!」
ペチペチと頭を叩いて、和美は催促する。
伊織といい和美といい……少しは感謝しろってーの!!
まったく……
渋々弁当を渡すと、和美は物凄い速さで立ち去った。
和美は隣のB組だ。
お礼位、言いなさいって――
まったく、もう!!
なんてがさつな娘(コ)に育ってしまったんだか、お兄ちゃんは、悔しいです!!
お兄ちゃんなんて思われてないけどね……寂しい……ぐすん……
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