七匹目 レッサーパンダは 躍る!?

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黙ってよっと! 尊の動きに気付かず、まだ馬鹿笑いしているクッキー。 ふと上杉が尊の手からペンケースを取り上げ、代わりに何か赤い物を握らせ、スッとクッキーを指差した。 やれ!、と指示したようだ。 赤い物を握り締め、尊は大きく振り被り――力一杯投げ付けた!! べちゃっ、と妙な音がする。 「……」 無言のクッキー。 その顔面が、ドロリと赤く染まっている。 ト―― 「「「トマト!?」」」 一斉に上がるトマトコール!! しかも、完熟トマト! 投げた尊自身、びっくりしている。 「こうちゃん、なんでトマトなんか持ってるの!?」 思わず、上杉に訊いてみた。 「昼飯」 あの低ーい声で、上杉は答えた。 「昼飯って、トマトだけ!?」 まさかと訊いてみたら、頷いた上杉はもう1個トマトを鞄から取り出した。 ……よく入ってたな? 来週からもう1個、大盛弁当が必要だな。 今日の分は、なんとかしよう。 でも、何故にトマト? 「こうちゃん、トマト好き?」 上杉は少し首を傾げ、考え込む。 「適当に持って来ただけだろ」 南が口を挟むと、肯定するように上杉は頷いた。
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