七匹目 レッサーパンダは 躍る!?

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「こうちゃん……来週から俺がお昼用意するから、変わった弁当は持参しなくていいよ?」 溜め息混じりにそう言うと、上杉はびっくり顔になる。 「あー、男が作る弁当なんか、嫌かな?」 心配して訊いてみれば、上杉は激しく首を左右に降った。 「欲しい」 「了解。 今日の分も、なんとか用意するからね」 こっくりと上杉が頷いた時、 「あの……」 トマトまみれのクッキーが呼び掛けてきた。 「俺は……無視?」 憐れなトマト男に同情する者は、ただの1人も居なかった。 皆各々、作業に戻る。 班は決まったようだ。 班内の役割分担を、決め始めていた。 「無視!? 無視かー!?」 「煩い!」 独り騒ぐクッキーに、女史が雑巾を投げ付ける。 あまりの扱いにガックリ肩を落としたクッキーは、雑巾片手にすごすごと教室を出ていった。 チョンチョンと、肩を指で突っつかれた。 佐伯が、物欲しげに俺を見ている。 あっ、ここで宣言しちゃえば、こそこそ弁当を用意する必要なくなるや。 「大丈夫、ちゃんととーくんのも用意するから」 堂々とね、と付け加えれば佐伯は笑顔になった。
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