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2時限目の最中、黒板をノートに写そうとして、突然尊が泣き顔になった。
その手には、シャーペンが握られていた。
気付いた俺は、替え芯を斜め後ろから渡す。
ぱあーっと笑顔になる尊。
ペンケースを投げた為、シャーペンの芯が粉々になったんだね?
なんてハプニングはあったけど、休み時間毎に消えてた俺には、極めて平穏な午前中に思えた。
だがしかし、平穏は破られる……
4時限目終了のチャイムと同時に――和美が現れた!!
「和泉ーぃ!」
すかさず上杉の後ろに身を隠し、
「い、和泉は只今で、出掛けております……」
鼻を摘まんで、居留守を使おうとしたが、無駄だった。
「そんな留守電――あるかーっ!!」
上杉の横から腕を伸ばして来た和美に、むんずと制服の襟を掴まれてしまった!!
「うきゃー!!」
じたばた足掻く俺を、和美は席から引き摺り出した。
止めようと手を伸ばし掛けた尊を、和美がギッと睨み付ける。
尊の動きが停止した。
和美相手だと、尊の迎撃システムも作動しないようだ。
助けは、望めない……
しかも和美は、物凄く怒り狂ってる!!
母さんの注意メールは、これか。
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