一匹目 レッサーパンダは 来る!?

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「そこで、だ!」 キッ!っと中谷は、何かを決意した様な強い瞳を俺達に向けた。 「君達に提案したい!」 「「提案?」」 勿体つけた様にゆっくりと頷く中谷は、今度はあの黒笑を浮かべている。 コロコロ表情が変わって、何か面白い奴っ~ 「『美原 伊織』を懲らしめる!!」 「「え゙〰!?」」 あまりな提案に、びっくらどん、して思わず叫んでしまった!! 「「無理無理!!」」 俺達は激しく首と手を横に振る。 振り過ぎて、2人揃って目眩を起こしかけてしまった……気分、わる…… だけど俺達の否定の言葉は、すっかり自分の世界に嵌まってしまった中谷の耳には辿り着かない。 ひとりで語り続けている。 「美原のみならず、奴の悪友共もこの際引っ括めて、奴等に制裁を加えてやるのだ!」 うっすら汚れた天井を恍惚とした表情で見上げ、中谷は両手をゆっくり広げる。 「奴等に目に物見せてやる! ギャフン(古っ!)と言わせてやる!」 こいつ、危ない!! 引き気味な俺達に気付く事無く、悦に入っている中谷は独り言(?)を続ける。 「そして奴等は気付くのだ、この僕の偉大さに!」 中谷は自分自身を抱きしめる。
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