八匹目 レッサーパンダは 謳う!?

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仕方ない、皆でランチだ。 「たけちゃん、こうちゃん、机移動して?」 「和泉?」 不思議そうな和美に、伊織が笑顔で言う。 「良かったな、和泉がご馳走してくれるとさ」 パアッと笑顔になる和美。 うん、やっぱり美人だ。 用は済んだとばかりに、伊織は離れて行く。 ガタガタ机を移動して、5人分の席を確保した時、戸口から声を掛けられた。 「成瀬ー」 「何よ!?」 答えたのは、和美。 そりゃ、和美も成瀬だ。 「妹じゃない、成瀬兄の方だ」 呼び掛けたのは、鹿野だった。 ああ、約束の弁当を取りに来たのか。 「今、渡す」 机に次々と紙袋を置き、がさごそやりながら俺は小田切先生を見る。 俺の視線の意味に気付いた先生は、持参してくれた紙袋を机に置いた。 中からカップのデザートを2個取り出し、弁当2つと一緒に鹿野に渡した。 途端に、和美のブーイングが起きる。 「ちょっとちょっと、なんで鹿ちゃんが、和泉のお弁当貰えるのよ!?」 鹿ちゃん? 鹿ちゃん!? 「「鹿ちゃん!?」」 尊とハモッて、声を上げれば、鹿野は苦い顔をした。
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