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「兄妹揃ってろくな呼び方しないな、まったく!」
しっかり弁当を確保しながら、鹿野は不平を口にした。
「約束したんだよ、今日だけ弁当作ってくれるってな」
じゃあな、と鹿野は去って行く。
「和泉ってば、最近何してるの? 妙に、交際範囲も広げてるみたいだし」
心配顔で、和美は訊いてくる。
「大丈夫、悪い事してないから」
そう言ったら、当たり前でしょ、と叱られた。
机の上に、弁当は3個。
別に急遽用意したおにぎりと唐揚げ、上杉のトマトを使ったハムとトマトのロールパンサンド、更に今日のデザートは蜂蜜レモンゼリー。
用心の為、ゼリーは倍作った。
余れば先生が食べるだろうし。
「えーといっちゃん、おにぎりとか唐揚げとかパンとか……朝はなかったよね?」
尊が首を傾げる。
「作った」
「えっ、いつ、どこで!?」
「1時限目の休み時間に買い出しして、2時限目の休み時間に警備員室の調理場借りて下拵えして、3時限目の休み時間に作った」
「休み時間になると消えてたのは、その為か」
納得顔の尊。
警備員さんにお礼のおにぎりと唐揚げを渡したら、いつでもお出でと言われたのは内緒だ。
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