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警備員室に炊飯器やら色々調理器具があったのには驚いたが、いざと言う時は助かるので要チェックだ。
「いっちゃんたら、料理に関しては抜かり無いのね」
先生に誉められた?
そう思っとこう。
警備員さんに頂いた紙皿と紙コップ・割り箸を机に置くと、尊が慌てて朝作ったアップルティーを紙コップに注いだ。
「あ、尊のアップルティー、久し振り」
和美が嬉しそうに、紙コップを手にする。
「弁当は、環ちゃんとこうちゃんとたけちゃんね。 和美は間に合わせで我慢して」
そう言ったら尊が、和美に弁当を差し出した。
「和美ちゃんが食べて良いよ、俺毎日いっちゃんの料理食べれるから」
「尊ってば、相変わらず優しいのね? じゃあ、遠慮なく、いっただきまーす!」
和美、そこは形だけでも遠慮しようよ?
はあ~、まったく!
「たけちゃん、ごめんね」
「良いってばぁ」
笑顔で返す尊。
先生と上杉に目を向け、
「俺達も食べよう?」
そう言って2人を促した。
「そうね、頂きましょう」
先生も食べ始めると、上杉も遠慮がちに箸を動かし出した。
一口二口進む上杉の手が、徐々に速くなる。
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