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終いには、がつがつと飢えた猛獣みたいに食べ出した。
上杉……きみ、ちゃんと食事してる?
ちょっと心配しながら紙皿におにぎりを3個載せて、上杉に渡す。
あっという間に、完食ぅ~
もう一度おにぎりを2個、更に唐揚げ、パンも2個渡す。
5分もいらない。
紙皿は、直ぐに空になる。
だ、大丈夫か!?
「上杉君、もっとよく噛まないと、消化に悪いわよ?」
小田切先生も、さすがに心配顔だ。
「美味しいから、無理」
答えた上杉、お代わりを要求してきた。
おにぎり2個、パンも2個渡す。
いくらか落ち着いたのか、今度は味わう様にゆっくり食べ出した。
感心しながら、俺と尊も食べ始めた。
「ねぇ、和泉」
急に和美が、声を掛けてくる。
「あに?」
もぐもぐおにぎりを食べながら訊くと、和美は上杉に目を向けた。
「なんで上杉が、和泉のお弁当食べてるの?」
「ああ、まあ色々あって、こうちゃんの弁当をダメにしちゃったから、かな」
トマト1個、華々しく散っていった……
「こうちゃんって、和泉……」
和美は、ちょっと引いている。
引くなんて、酷い!
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