八匹目 レッサーパンダは 謳う!?

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なんと上杉は、南の従兄弟!!! 更に、幼馴染みと言う言葉もくっ付く関係らしい。 ……の割に南は上杉を苗字で呼び、態度も余所余所しかったよな? と訊いたら、上杉はちょっと笑う。 「李杜は、公私混同しないんだ」 ……本当にそれだけ? そう考えたら、何故か上杉に頭を撫でられた。 「本当。 制服もクリーニングに出してくれる」 クリーニングねぇ 確かに上杉の制服は整っているけど、他に世話すべき事があるんじゃないか? けど南が保健室に付いて来たのは、もしかして上杉の為? 「俺……」 ふと上杉は、俺の上腕を掴む。 「いっちゃん、持って帰りたい」 とんでもない事を、言い出した! しかも 『いっちゃん』 呼びになってるぞ!? 「ダメ」 あっさり、尊が駄目出しをする。 「絶対ダメ!」 デカイ図体で上杉は、しゅんっと項垂れる。 相当、切羽詰まってんだなぁ。 俺を持って帰って、家事をして欲しいんだろう。 なんて、身勝手な! ああ、でも、こんな姿されると、見放せないや。 「「しょうがないなぁ、もう」」 尊も、俺と同じ気持ちのようだ。 同時に、同じ言葉を口にした。
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