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なんか、もう帰りたい……
俺も帰りたい……
帰ろうか?
うん、帰ろう――
以心伝心の会話で意見は纏まり、鞄を手にして2人同時に腰を上げ、そろりそろりと後退りし出したら、
「何処へ行くのかな?」
鹿野の声と共に、2人揃って制服の後ろ襟を掴み上げられてしまった!!
「まだ話しは終わってないよ、はい、大人しく座る!」
頭を押さえ付けられ、正座させられた……
「はい、大人しく聞く!」
ぐりっと無理矢理顔を、中谷の方へ向けられた……
そんな俺達のやり取りさえ、中谷は気付いていない様で、舞台俳優宛らのオーバーアクション付きの演説を続けている。
「奴等は僕の足下にひれ伏し、涙ながらに許しを乞うのだ!」
中谷の右腕が、何かを受け止める様に掲げられ、開いていた掌をギュッと握った。
「そして彼等は気付く…僕が 『神』 だと……」
言っちゃったよ、こいつ……自分の事 『神』 だって、言い切りやがった!!
引き様が無いほど引いている俺達の横で、鹿野も額に手を当てて疲れた様な溜め息を漏らした。
中谷のイタさを、鹿野もわかっているようだ。
だったら止めてやれよ~
友達なんだろ?
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