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「じゃあ悪いけど、上杉君の事宜しくね」
そう言って、先生は立ち上がる。
「環ちゃん、今度何か奢って!」
ちゃっかり、尊は言う。
「ボーナス出たら、よ」
ウインクしながら返す先生、当分奢る気は無さそうだ。
天女、退場。
クラスの半分の男共が、涎垂らしそうな顔して見送る。
確かに、美人だもんね。
和美が出て行く時も、注視してたね。
えへん!
「いっちゃん、何を得意気になってるの?」
あ……つい、和美も美人だって……得意になってしまった!
ぷるぷる頭を振ったら、変なの、と尊に笑われた。
もう俺、和美の弟でも良いや。
和美と兄妹ってだけで、自慢出来るし。
もう、何でも良いや。
あー、ったく、俺って一体何を拘ってたんだろ?
和美に子供扱いされたって、別に良いじゃないか、まったく!
和美と兄妹だって事は、曲げ様も無い事実なんだから。
それだけで十分なのに、なんだか変な意地はって和美の手を払ったりしてさ。
馬鹿だなぁ、俺って。
和美に、ちゃんと謝らないとね。
ごめんって。
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