八匹目 レッサーパンダは 謳う!?

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「じゃあ悪いけど、上杉君の事宜しくね」 そう言って、先生は立ち上がる。 「環ちゃん、今度何か奢って!」 ちゃっかり、尊は言う。 「ボーナス出たら、よ」 ウインクしながら返す先生、当分奢る気は無さそうだ。 天女、退場。 クラスの半分の男共が、涎垂らしそうな顔して見送る。 確かに、美人だもんね。 和美が出て行く時も、注視してたね。 えへん! 「いっちゃん、何を得意気になってるの?」 あ……つい、和美も美人だって……得意になってしまった! ぷるぷる頭を振ったら、変なの、と尊に笑われた。 もう俺、和美の弟でも良いや。 和美と兄妹ってだけで、自慢出来るし。 もう、何でも良いや。 あー、ったく、俺って一体何を拘ってたんだろ? 和美に子供扱いされたって、別に良いじゃないか、まったく! 和美と兄妹だって事は、曲げ様も無い事実なんだから。 それだけで十分なのに、なんだか変な意地はって和美の手を払ったりしてさ。 馬鹿だなぁ、俺って。 和美に、ちゃんと謝らないとね。 ごめんって。
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