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放課後、俺と尊と上杉は、クッキーを死守しながら実習棟に向かった。
道中、様々な魔の手から見事にクッキーを守り通した立役者は、やはり上杉だ。
偉いぞ、上杉!
そして、生徒からカツアゲするな、教師よ!
まったくもう!
俺のクッキーの存在は、一体何処まで知れ渡っているんだ?
入学式にしか見た事無い校長先生まで、余ってたら欲しいな、と言って来たぞ。
まあ校長だし、恩を売っておけば何かしら役に立つかもしれないから、クッキーを分けてあげた。
いっちゃん、考え方が黒いよぉ~、と尊に言われたが、気にしない。
俺も、少しは世渡り上手にならないと。
校長先生ってば、ありがとうを連呼して、ギャロップしながら鼻歌混じりに去って行った。
喜んでもらえて良かったけど……
何故に、ギャロップ?
スキップのが、見たかったかも。
校長のスキップ。
「いっちゃん、そこは敢えてギャロップなんだよ」
尊!?
何で、ギャロップを押す!?
「スキップだと、ありきたりでしょ?」
だから、ギャロップ?
まあ、良いか。
なんか校長先生、可愛かったし。
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