八匹目 レッサーパンダは 謳う!?

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尊も俺と同じ事を考え、感じていたみたいだ。 尊がすっと伸ばした手で、上杉の左手を宥める様に握った。 驚く上杉。 俺は鞄を持つ上杉の右腕に、空いてる左腕を絡めた。 更にビックリ顔で、俺を見る上杉。 俺と尊は笑顔で頷きを交わし、揃って上杉に笑い掛けた。 「「大丈夫」」 俺達のハモりに、上杉は首を傾げた。 「こうちゃんの良さは、伝わるよ?」 「そうそう、直ぐにみーんな理解してくれるよ~」 「だって」 「ねぇ」 「「こんなにこうちゃん、優しいんだもん」」 ねぇー、と尊と頷き合う。 そう、何と無く、上杉って人物が解った気がする。 見た目に似合わず、意外と繊細なんだって。 授業拒否は、その現れだと思う。 自分が授業に出ると、クラスメートに不快な思いをさせてしまうんじゃないか、自分も陰口言われて嫌な気分にならないか……そんな事を考えて、授業に出ないんじゃないかな? 「こうちゃん、周りの目が凄く気になるタイプでしょ?」 尊の問い掛けに、上杉は苦虫を噛み潰した様な顔になる。 当たり、だな?
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