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「オーケーだよ、たけちゃん」
誰も居ないよ、と答えながら俺も、上杉の頭に腕を伸ばした。
「ごめんね、こうちゃんにそんな顔させるつもり、全くなかったんだよ」
尊は静かな声で、上杉を落ち着かせる様に言う。
「こうちゃんごめんね、俺も考え無しに色々言っちゃって」
尊に抱き包まれている上杉のおっきな背中を、俺も宥める様にゆっくり撫でた。
「……て」
低ーい声で、上杉は何か呟いた。
「「えっ?」」
よく聞こえない。
「……や」
また何か呟いたけど、やっぱり聞こえない。
「「なに?」」
聞き返したら、バッと顔を上げた上杉に、2人揃って思いっきり抱き締められてしまった!!
「「いっ!?」」
ぎゅうぅっと、強く絞められた!!
く、苦しい!
離してと腕を叩けば、意外にも上杉はあっさり俺達を解放してくれた。
はぁ~、生きてて良かった~
ほっと安堵の息を付きながら上杉を見ると、上杉は両目をキラキラさせて俺達を見返していた。
なんだか、可愛いぞ!
だが、一体なんだって言うんだ?
「こうちゃん、どうしたの?」
尊も不審に思ったらしく、上杉に問い掛ける。
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