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俺達を見詰める上杉のキラキラする両目には、信じたくないが 『尊敬』 と言う言葉が含まれているような気がする。
再び抱き付いて来た上杉は、俺と尊の間に顔を埋めながら、今度ははっきりした声で呟いた。
「2人ってスゲー」
きゅっと、上杉の太い二の腕で首が絞められる。
でも、さっき程苦しくない。
上杉、ちゃんと手加減してくれてるようだ。
上杉の呟きが、続く。
「初めて」
何が?
「殆ど喋ってないのに」
うん、上杉ってあんまり喋らないね?
「俺の性格」
上杉の性格?
「見抜いた奴、2人が初めてだ」
見抜いた?
不思議そうに首を傾げる俺と尊に、キラキラおめめの上杉は、ニコニコニコニコ笑い掛ける。
「えっと……こうちゃんの性格って、つまり……」
言いながら、俺は尊と顔を見合せる。
「もしかして……」
揃って上杉に顔を向ける。
「「意外と繊細(チキン)で、消極的(ヘタレ)?」」
「意外はいらない」
胸を張って、上杉は言い切った!
断言したよ!?
断言しきったね~
俺達の以心伝心も、呆れ返ったよ?
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