1079人が本棚に入れています
本棚に追加
「こうちゃん……そんな性格で、よく喧嘩なんか出来るね~」
呆れ顔の尊。
本当に、ねぇ?
「って、痛いのやだろ? 自分が痛いのも、相手が痛いのも」
「「?」」
痛いの嫌なのに、喧嘩するの?
変、だねぇ?
矛盾してるよね?
ねぇ~?
「やだから、瞬殺」
にこりん、と笑って言う上杉。
「「はい?」」
「だから、したくないけど、しないと帰れないし、でも痛いのやだから、瞬殺」
相手には、ちょっとだけ我慢してもらう――と上杉は付け加えた。
「あー、つまり、本当ならしたくないけど、売られた喧嘩を買わないと帰宅出来ないから――」
「一発で相手を倒して、喧嘩を終わらせる?」
「「と言う事?」」
声を合わせて問い掛ければ、ニコニコ上杉はこくんと頷く。
何処の戦士だぁー!?
しかも、チキンでヘタレな最強の戦士だと!?
喧嘩売ってんのか!?
……買わないけど。
ふう~、と尊が溜め息をついた。
そして、こめかみを軽く揉む。
もう一度溜め息ついて、尊は真っ直ぐ上杉を見やる。
「こうちゃん、確か中間で学年8位、だったよねぇ?」
!?
マジ!?
最初のコメントを投稿しよう!