八匹目 レッサーパンダは 謳う!?

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「全く、もう、悪い子なんだから!」 ぷりぷり怒る尊。 「ごめんなさい」 つい謝ってしまった! や、確かに、俺のが悪いもの。 「こうちゃんも、ごめんね? 俺、こうちゃんが羨ましくて、嫉妬した」 素直に謝罪すると、上杉がぱあっと良い笑顔になった。 何故に? 「うわぁー、俺嬉しいぞー!」 あ゙あ゙、また抱き締められた…… あ゙あ゙、おじさんみたいに、すりすり頬擦りしてくるーっ!! いやー、助けてー!! そう思った時、俺の真横で、スチャッと何かがスタンバイされる音がした。 視界の端に、尊の手に握り締められた――!!? 扇子!? 尊が、尊が扇子を握り締めている!? どうするの、それ!? いや、どうしたの、それ!? 上杉に抱き締められ、頬擦りされながら、俺は声にならない突っ込みを尊にしていた。 そして、尊の迎撃システムが発動した! 「とりゃぁ!!」 掛け声と共に、パキンと乾いた音がした。 見事、上杉の額に扇子が命中する。 「〰〰」 上杉が、渋々俺から手を離した。 「こうちゃん、セクハラ禁止!」 わかった!?、と上杉に念を押す尊。 上杉は、こっくり頷く。
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