八匹目 レッサーパンダは 謳う!?

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俺は伊織から貰ったキャッシュカードを財布にしまい、そう言えばと上杉を見上げる。 「こうちゃん、伊織と親しいの?」 『伊織』 って、名前で読んでたもんね? 「伊織は李杜の友達で、俺の喧嘩仲間?」 疑問形? 上杉は、少し考える。 「……喧嘩を手伝ってくれた。 伊織は強いな?」 ああ、上杉の中で伊織は同等なのか。 「いっちゃんとたけちゃんは、どう言う関係なんだ?」 知らないの? ああ、こうして知り合うまで、俺達に関心なかったのか。 あれ? 俺みたい? でも上杉のが、まともかな? 俺の名前、知っててくれたもんね。 俺なんか、上杉の名前どころか、存在まで知らなかった。 なんて失礼な奴なんだ、俺!! ――反省。 「伊織はいっちゃんの幼馴染み」 「俺と李杜みたいに?」 尊の説明に、上杉は考えながら質問する。 「まあ、そうかな? ねぇ、いっちゃん?」 「うん、でもこうちゃん達みたいな血縁関係は無いよ。 けど、伊織は俺と和美のお兄ちゃん」 「和美って、昼に飛び込んで来たB組の成瀬? あれ、いっちゃんと同じ苗字?」 上杉は、首を傾げた。
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