1079人が本棚に入れています
本棚に追加
酷く不思議がる上杉よりも、こっちのが不思議だぞ!?
和美の苗字が成瀬だと知っているのに、まさか俺と兄妹だと知らないのか!?
しかもそんな話しを、昼食時にしてたじゃないか!
「お昼に兄妹だと言ってたのに?」
尊も驚いて、上杉に確認してる。
「昼は弁当しか頭にな――えっ!? 兄妹!?」
上杉が目を丸くして、心底驚いてる。
うんうん、解るよ?
「どうせ似てないやい!!」
叫んで俺は、ぷいっと横を向く。
「あっ、悪い、そんなつもりじゃ……本当に兄妹?」
謝ったくせに、上杉ったらまだ疑ってる。
「いっちゃんと和美ちゃんは本当に兄妹だよ、しかも双子」
苦笑しながら尊が言うと、上杉があんぐり口を開け放ち、茫然自失と言った体で俺を見詰めた。
あーこんな反応、何か久し振りに見たなぁ~
そう言えばここに入学してから、俺と和美が本当に双子なのかとか訊いて来たり、驚いたり――誰もしないなあ。
似てないって言われる事はあっても、兄妹を否定する様な人は1人も居なかったね。
中学迄は、俺は拾われたか貰われたかしたみたいに言われてたけど、ここでは誰もそんな失礼な事は口にしない。
最初のコメントを投稿しよう!