八匹目 レッサーパンダは 謳う!?

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酷く不思議がる上杉よりも、こっちのが不思議だぞ!? 和美の苗字が成瀬だと知っているのに、まさか俺と兄妹だと知らないのか!? しかもそんな話しを、昼食時にしてたじゃないか! 「お昼に兄妹だと言ってたのに?」 尊も驚いて、上杉に確認してる。 「昼は弁当しか頭にな――えっ!? 兄妹!?」 上杉が目を丸くして、心底驚いてる。 うんうん、解るよ? 「どうせ似てないやい!!」 叫んで俺は、ぷいっと横を向く。 「あっ、悪い、そんなつもりじゃ……本当に兄妹?」 謝ったくせに、上杉ったらまだ疑ってる。 「いっちゃんと和美ちゃんは本当に兄妹だよ、しかも双子」 苦笑しながら尊が言うと、上杉があんぐり口を開け放ち、茫然自失と言った体で俺を見詰めた。 あーこんな反応、何か久し振りに見たなぁ~ そう言えばここに入学してから、俺と和美が本当に双子なのかとか訊いて来たり、驚いたり――誰もしないなあ。 似てないって言われる事はあっても、兄妹を否定する様な人は1人も居なかったね。 中学迄は、俺は拾われたか貰われたかしたみたいに言われてたけど、ここでは誰もそんな失礼な事は口にしない。
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