八匹目 レッサーパンダは 謳う!?

35/75
前へ
/3000ページ
次へ
なんだか恩人ばかりで、いろんな人達に助けられ過ぎだ。 守られ過ぎだよね。 皆が安心出来る様に、早く自立しないとね? よし、頑張るぞ! なんて考え込んでたら、やっと合点がいったらしい上杉が、 「そうか、だから2人を危険な目に合わすなって……ごめん、いっちゃんに酷い事言った」 酷く申し訳なさ気に、頭を下げた。 しまった!! 上杉は繊細君だった!! しゅんと項垂れる上杉の頭を、俺は慌てて撫でまくる。 「気にしてないよ、寧ろ久々に聞いた言葉だったから、ちょっと懐かしい位だよ!」 「無理してないか?」 不安そうに、上杉は訊く。 「してない!」 きっぱり答えると、上杉は伺う様に尊を見た。 俺の返答が本当か、尊に確認とったのだろう。 察して、尊はにっこり笑う。 「大丈夫、いっちゃんは嘘ついて無いよぉ。 それにいっちゃんが嘘をついた時って、誰が見てもバレバレだから、こうちゃんでも解るよ?」 ……誰が見てもバレバレ? 本当に? 「うん、本当」 尊はあっさり肯定する。 恥ずかしい~ あんまり恥ずかしいので、目の前の上杉にしがみついて、多分真っ赤だろう顔面を隠した。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1079人が本棚に入れています
本棚に追加