一匹目 レッサーパンダは 来る!?

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「ちょっ、怖いんだけど……」 鹿野がびびる程の熱い視線を向ける俺達に、鹿野は気付いた様に携帯を持ち上げる。 つられて俺達の視線も上がる。 鹿野は今度は携帯を右に動かし、俺達の視線もそちらに動き…… 鹿野が動かす携帯通りに動く俺達の視線に、鹿野がニヤリと笑う。 黙って俺達のやり取りを眺めていた中谷に、鹿野は笑いながら声を掛けた。 「宏、これってまだあったよな?」 スッと掲げた携帯のストラップを、鹿野は指先で突っつく。 「えっ、ああ、姉さんが買い占めたやつ……。 買ったは良いが直ぐに飽きて僕に押し付けて……で、友明にあげたんだっけ?」 「何処かの動物園の限定販売品とかだったよな?」 鹿野の問いに、中谷は頷く。 その途端、俺と尊からゴゴゴッと音がしそうな程の怒りの炎が吹き出た(気がする)!! 「「お前の姉貴か!!」」 「ヒッ!?」 俺達の威圧感に驚き、短い悲鳴を上げた中谷は、慌てて鹿野の後ろに隠れた。 「「買い占めなんぞしやがって!!」」 沸き起こる怒りのみならず、あの時の悲しみさえも蘇ってくる…… .
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