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それは、上杉の性格。
繊細(チキン)で消極的(ヘタレ)と言う、上杉の性格が関係するんじゃないかと思い当たる。
俺と尊は、用心深く(チキン)事なかれ主義(ヘタレ)。
種類は違うけど、3人揃ってチキンでヘタレ。
その共通点と、他人の心の機微に鋭い上杉だからこそ出来るんじゃないか、と思い当たる。
けどやっぱり、快挙だ!!
快挙だねぇ~
「誉めて!!」
「「偉い偉い!」」
頭を撫でると、上杉は破顔した。
うん、可愛い!
「だから、何やってんだってーの!?」
無視されてた鹿野が、苛々しながら怒鳴った。
今度はひんやり冷たい視線で、俺達は鹿野を見返す。
「「「以心伝心」」」
「同時に答えるな、って、えっ!? 上杉、出来るのか!?」
「おう♪ 受信だけ、送信は無理だが」
自慢気に上杉が答えると、鹿野の顔が酷くひきつる。
「うわぁー、お前等もう人外! 人間、名乗るなよー!」
「「失礼な!!」」
俺と尊の抗議に、上杉も頷く。
「バンビの連れも、ナルシーの人外だろ?」
低ーく上杉が言うと、鹿野は苦い顔になる。
「反論出来ねー!」
喚いて鹿野は、自分の髪をぐしゃぐしゃ掻き乱す。
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