八匹目 レッサーパンダは 謳う!?

39/75
前へ
/3000ページ
次へ
「つうか、上杉までバンビ呼び!?」 「可愛いあだ名だから、良いじゃないか」 「可愛いって……」 鹿野が、俺と尊を見る。 つられて上杉も、俺達に視線を戻す。 ふーん、と鼻を鳴らす鹿野。 「上杉は、小動物系が好きなのか」 小動物って、あんた、間違ってるよ? 「「俺達、小さくないよ!?」」 「身長はな、まあ有るんだろうけど、細すぎ――じゃなく、動きっつうか雰囲気っつうか、なんかそこいらが小動物っぽい」 「「ひどっ!!」」 小動物なんて、初めて言われたよ!? ショック!! 「まあ、こいつらの事は置いといて――」 鹿野は、真っ直ぐ上杉を見た。 さっきもだけど鹿野って、上杉を普通に見るね? ふつーに、普通の高校生扱いしてるよね? ちょっと、意外。 「そこは 『見直した』 と言うべきだ――上杉じゃなくて、こうちゃん」 「……こうちゃん、こうちゃんはバンビと喋ってて」 話し進まないから、と言ったら鹿野が口を挟んで来た。 「以心伝心は、余所でやれ!」 「「「えーっ!」」」 「知るか!」 抗議は、儚くもあっさり無視された。 鹿野は、上杉のみに視線を向ける。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1079人が本棚に入れています
本棚に追加