八匹目 レッサーパンダは 謳う!?

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「何にしろ」 ブラック尊は言う。 「いっちゃんに余計な知恵は付けない事、これは徹底事項だからね?」 鹿野は渋々頷いた。 俺……イタズラ盛りの幼児、ですか? 尊め、後で覚えてろよ!? 悪態付きながら上杉にぎゅうっとしがみつくと、手を回してきた上杉が俺の背中を宥める様に軽く叩く。 「不満か?」 上杉に訊かれ、俺は複雑な顔になる。 俺を守る為に尊が頑張っているから、不平不満を言える立場じゃない。 そうわかってる、わかっているけど…… 尊ったらそんなに俺を守り過ぎると、俺自立出来ないよ? 尊お母さんは、甘過ぎだ。 「いっちゃんは、守られるのが嫌なのか?」 密やかに、上杉は訊く。 嫌じゃない。 嫌じゃないけど、早く自立する為にも、少しは突き放してもらった方が良い様な気がする。 じゃないと、一人で歩けない。 いつまでも狭い安全な世界に居るままじゃ、変われない。 「そうか……」 上杉は納得顔で、俺を見る。 「いっちゃんは、自分の世界を広げたいのか」 えっ、どう言う意味? 「だって、そう考えているんだろ?」 諭す様に、上杉は語り出した。
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