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しかも、と鹿野は笑いながら、
「ご丁寧に、個室に綺麗に並べられて、設置されてたぞ?」
そう説明した。
うわあ~、伊織、どうやって女子トイレに入ったの――!?
「伊織、女子トイレに入ったのかなあ~?」
ぼそりと尊が独りごちると、鹿野はまた笑う。
「どうやら、美原親衛隊の娘(コ)達に頼んで――、みたいだけどな?」
「「伊織、最低!!」」
声を合わせる俺と尊。
鹿野は笑う。
「ところでその変な敬語擬きの喋り方、なんとかならないか?」
確かに考えてみれば同じ年だし、普通に喋って良いんじゃないか!!
遜くだる必要無し!!
途中からは、擬きと言われる変な敬語になってたし〰
「「んじゃ、バイバイ」」
「うわぁ~砕けすぎ!!」
そんな鹿野の声を背中に浴びながら、俺達は教室を後にした。
薄暗い廊下を歩きながら、2人同時に溜め息をつく……
「「可愛いかったなあ~ 『レッサーパンダ・ストラップ』 ……」」
「「はぁ~」」
ウサギの毛かなあ、ふわんふわんの毛で出来てたなあ~
しっぽなんか、ちゃんと模様付いてて、ふっさふっさだったなあ~
本物そっくりだったなあ~
「「はぁ~」」
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