1077人が本棚に入れています
本棚に追加
実習棟を出て、まだ部活で賑わう校庭をぶらぶら歩きながら、またも溜め息が出てしまった。
『レッサーパンダ・ストラップ』…欲しい……
「「あ゙〰っ!!」」
2人揃って頭を掻き毟る。
その時、ヒュン、パシッ、と何とも清々しい音が耳に飛び込んできた。
音の方に目を向けると、弓道場があった。
「「あっ、和美(ちゃん)!!」」
思い出した、個人情報流出犯人!!
因みに和美は、弓道部だ。
道場に近付き、中を覗き込んだ瞬間、黄色い悲鳴が上がった!!
「「な、なに!?」」
おろおろする俺達は、袴姿の美女達にいつの間にか囲まれてしまった!!
「キャー、可愛い!!」
だ、誰が!?
「や~ん、私より小さい~」
だから、誰が!?
「本当に普通の顔してる~」
「「俺達か!?」」
なぞと騒ぎ過ぎていた為か、すっかり油断していた後頭部に衝撃が走り、俺達2人は頭をおさえて踞る。
涙目で振り返ると、和美が腕を組んで仁王立ちしていた…怖いよぉ~
「なに部活の邪魔しに来てるの、このすっとぼけコンビが!!」
すっとぼけコンビって…また新たな称号が…レベルだだ下がりなのに…嫌な称号がどんどん増えていくよぉ~
最初のコメントを投稿しよう!