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「「はぁ~」」
揃って溜め息が出る…
「おっ、暗いなあ~ どうしたどうした、平凡兄弟?」
鼻歌混じりにたか兄がやって来た。
「たか兄、店は?」
問いかける尊の頭を大きな手でグリグリ撫で回していたたか兄は、俺にお茶碗を差し出しながら答える。
「バイト君が入った。和泉、飯!」
「はい、はい」
俺が食事の用意を始めると、尊がじっとりとたか兄を睨んだ。
「たか兄、いっちゃんはたか兄の彼女でも奥さんでもないんだから、感謝しながら頼まないと駄目だよ?」
「和泉は家に嫁に来る予定だから、良いんだよ」
たか兄の爆弾発言に、俺と尊は馬鹿みたいに口をあんぐりと開けてしまった!!
「「いつ、そんな予定がたったの!?」」
「えっ、だって親父が『どうせお前等2人、揃って売れ残るんだから結婚しちまえ』って言ってたじゃないか!!」
「「たか兄、馬鹿!? 馬鹿なの!?」」
あんなの酔っ払ったおじさんの戯言じゃないか!! 第一、男同士は結婚出来ません!! それに、何で俺が嫁!? そう言ってやると、たか兄は『え゙ー』と抗議の声を上げた。
「つまんねえ~」
つまれよ、まったく!!
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