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「伊織と同時に、和美の弁当も作らない。 ついでに和美の面倒をみるのも止めてしまえば、伊織も 『和泉の遅い反抗期』 位に考えてくれるだろう。 そうすれば、そんなに手荒な反撃はしないはずだ。 タケも、単に和泉に同調しただけと思ってもらえるだろうしな?」
ただ一つ問題なのは、俺が和美に対してそれが出来るかだ、とたく兄は続けた。
俺と和美の力関係は、たく兄が心配する程……最悪だ!!
生まれてからずっと和美に抑え込まれてきた俺は、和美にとって 『兄』 ではなく、きっとただの召し使いなんだろう。
和美に訊いた事無いけど、多分そんなもんにしか思われてないだろうなあ~。
あっ、なんか、滅入ってきた……。
「無理……和美に反抗するなんて、伊織にするより難しい……」
俺の返答に、たく兄は小さく溜め息をついた。
「和泉……そろそろ和美から離れた方が良いぞ?」
「離れる?」
「和泉は、和美が怖くて言いなりになっていると思っている様だけど、違うと思うぞ?」
「違う……の?」
たく兄は頷いた。
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