二匹目 レッサーパンダは 笑う!?

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「今回の事は、良い機会だと思うぞ?」 何が? 「和泉がシスコンを卒業する、良い機会だと思う」 あまりにも俺が世話を焼き過ぎるから、和美は身の回りの事が何も出来ない娘になってしまった。 このままでは和美は、彼氏が出来た時に困る事になるし、自活も出来ない。 全ては和美を甘やかした俺の責任だ――とたく兄は言う。 甘やかしたつもりなんて全くないのに、俺の責任になるなんて……。 でも、そうそう変われないよ? 長年築かれた力関係を覆すなんて、そう簡単には出来ない。 頭を抱えて悩む俺に、たく兄は妙な事を言ってきた。 「和泉、レッサーパンダって腹黒いんだぞ、知ってるか?」 そりゃ確かにレッサーパンダの腹部は、真っ黒な毛で覆われているけど……? 「見た目だけではなくて、レッサーパンダは本当に腹黒いらしいぞ?」 「「えっ!?」」 なに? なに、それ……? あまりの言葉に、尊と共に目を丸くして、たく兄を見詰めてしまった。
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