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「てっきり成瀬妹が作ってるもんだと思ってたんだけど、兄貴の方とは意外だった」
「和美ちゃんは、家事は苦手だよ」
答えたのは、尊。
俺と小学生の頃から一緒って事は、和美ともって事だから、尊は和美の事もよく知っている。
尊はオブラートに包んだ言い方をしたが、和美は家事が苦手なんてものではなく、壊滅的に出来ないんだ。
なので俺が担当している。
因みに母さんも、和美と一緒だ。
俺達が小さい頃の家事担当は、俺によく似た小粒フツメンの父さんが受け持ち、父さんが亡くなった後は母さんの親友でありお隣さんである伊織のお母さん・雪江(ﾕｷｴ)さんがやってくれていた。
彼女は俺の家事の先生だ。
俺が料理出来るのも、一通り家事が出来る様に教えてくれた伊織のお母さんのおかげだ。
おばさんと呼ぶと無視する人で、『雪ママ』と呼ばないと応えてくれない……
でも、凄く俺を可愛がってくれる。
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