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「まずは、和泉だ」
うん、と俺は頷く。
「和泉は、明日の朝、和美に宣言する事」
「宣言?」
「そう、明日の朝以降、和美の世話をしないとはっきり宣言する事」
有無を言わさないたく兄の口調に、俺は泣きたくなる……。
「いっちゃん、頑張って!?」
べそをかきそうになったが、尊の応援に、何とか耐えた。
鬼畜なたく兄は、そんな俺に構わず、ポンポンと指示を出していく。
「おばさんには俺から旨く言っておくから、和泉は暫くうちで生活する事」
一緒に居れば、俺は絶対和美の面倒を見るからだそうだ。
「……イズミガイルト ウマイメシニ アリツケル カラナ……」
ボソリと呟いたたか兄は、ジロリとたく兄に睨まれて目線を反らす。
今のは、俺にも聞こえた。
「いいね?」
たく兄に念押しされて、俺に否やはない。
俺が頷くと、たく兄は更に命じた。
「兎に角、きっぱり宣言する事だ」
それは俺自身の戒めにもなるから、きっぱり宣言する必要があるそうだ。
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