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でもね、と尊は言う。
「俺よりも小さい体で、俺よりも細い体で、伊織と和美ちゃんの攻撃にへこたれ無いいっちゃんが、格好良くって、なんだか酷く健気で……」
最悪だ……。
格好良いとか、健気とか、恥ずかしいよぉ〰
尊の言葉に遠い目をしてしまう俺を、尊は笑いながら見詰めた。
「もう友達になるしかないって思って、必死にいっちゃんを口説こうとしたら、いっちゃんったら……」
覚えてる。
「友達1号」
あの時、じっと俺を見てきた尊に、俺はそう言った。
尊は頷く。
「嬉しかった!!」
「俺だってたけちゃんに話し掛けられて凄く嬉しかったし、友達になれて泣きたくなる程幸せだったんだよ?」
尊の様に、進んで俺と友達になるなんて、貴重な存在だった。
大抵、伊織か和美に近付く手段として俺に近付く人ばかりで、尊みたいに純粋に俺と友達になろうなんて、全く居なかった。
なのに尊は、迷わず俺と親友になってくれた。
結局俺達って似た者同士だから、親友になれたって今なら解る。
尊と出会えて、本当に幸せだ!!
「うん、全て良し、だ!!」
纏めた俺に、3人は笑顔を見せた。
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