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「和泉」
たく兄に呼ばれて、俺は首を傾げる。
そんな俺の頬に触れたたく兄は――いきなり俺の両頬を引っ張った!!
「!?」
突然の痛みにびっくりする俺に、たく兄の強い声が叩きつけられる。
「和泉!!」
「ひゃいっ!?」
頬が引っ張っられたままなので、返事が変だ――じゃなくて――痛い!!
おもいっきし、痛いよ、たく兄!!
ギブ、ギブ、とたく兄の手をぺちぺち叩けば、俺の頬はやっと解放された!!
お帰り、俺のほっぺた!!
ただいま!!
――って、ヒリヒリするぅ〰!!
「痛いよぉ~、たく兄ぃ」
「和泉が悪い!!」
まったく、とたく兄は怒り出した。
「ボケるのも大概にする事、少しは真面目にやる!!」
わかったか、と訊かれては頷くしかない。
渋々頷く俺は、不満を載せた上目遣い……。
たく兄は舌打ちして、また俺の頬に手を伸ばして来た。
慌てて俺は、たか兄の後ろに隠れた!!
「真面目にやります!! やります!!」
たか兄を防御壁にしていた俺を、たか兄が服の後ろ襟掴んでぶら下げて、たく兄の前に差し出しやがった!!
たか兄の裏切り者ォ~。
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