1080人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ、そうだ!」
尊が突然声をあげ、俺を見た。
「いっちゃん、今夜はお暇かい?」
「お暇だよ~」
返して、察した。
「たけちゃん家のお手伝いだね? OKだよ」
尊の家はコンビニをやっていて、人手が足りない時はいつも尊は家を手伝う。
そんな親孝行な尊を、俺も時々手伝う。
もちろん、タダ働きだ。
尊の両親には世話になっているから、バイト代出すって言われても貰う訳にはいかないんだ。
貰ったりしたら、母さんに 『この、恩知らず!!』 と罵倒される。
「いっちゃん、いつも済まないねぇ~」
「たけちゃん、それは言わない約束だよ~」
等と尊と時代劇風会話をしつつ、のんびりまったり食事する俺は、気が付かなかった……
教室の入口からこちらを伺う、怪しい二組の視線に……
なんだか……寒気が……
なに?
なんか、嫌な気配が……
最初のコメントを投稿しよう!