三匹目 レッサーパンダは 惑う!?

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だから――と、俺は言葉を繋ぐ。 「そんな薄情な妹の面倒なんか、みたくありません!!」 よし、キッパリ言ったぞ!! 俺はやったよ、たく兄!! 大任を果たしてほっとする俺に、和美の探る様な視線が注がれていた。 ふーん、と鼻を鳴らした和美は、氷水みたいにヒンヤリする声で、 「それは、誰の入れ知恵?」 と訊いた……。 ドキンッ、と心臓が跳ねた!! 何故、ばれる!? いやいや、和美の推測だ、ばれてない……はず……? 誤魔化せ、頑張って誤魔化すんだ!! 「俺の考えだもん!!」 「和泉――正直に答えたら許してあげるから、白状しなさい」 なっ、なんだとぉーっ!? なんなんだ、和美の今のセリフは!? まるで悪戯がバレて叱られてる時の、子どもに対する母親みたいなセリフは!? 「ほら和泉、さっさと答えなさい」 ひらひら手を振りながら、面倒臭そうに急かす和美に――カチン、ときた!! 「俺の考えなの!!」 マジに怒鳴った俺に、和美は少し驚いた様だ。 おっきな黒い綺麗な目が、もっと大きくなって、俺を映してる。
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