1077人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
だから――と、俺は言葉を繋ぐ。
「そんな薄情な妹の面倒なんか、みたくありません!!」
よし、キッパリ言ったぞ!!
俺はやったよ、たく兄!!
大任を果たしてほっとする俺に、和美の探る様な視線が注がれていた。
ふーん、と鼻を鳴らした和美は、氷水みたいにヒンヤリする声で、
「それは、誰の入れ知恵?」
と訊いた……。
ドキンッ、と心臓が跳ねた!!
何故、ばれる!?
いやいや、和美の推測だ、ばれてない……はず……?
誤魔化せ、頑張って誤魔化すんだ!!
「俺の考えだもん!!」
「和泉――正直に答えたら許してあげるから、白状しなさい」
なっ、なんだとぉーっ!?
なんなんだ、和美の今のセリフは!?
まるで悪戯がバレて叱られてる時の、子どもに対する母親みたいなセリフは!?
「ほら和泉、さっさと答えなさい」
ひらひら手を振りながら、面倒臭そうに急かす和美に――カチン、ときた!!
「俺の考えなの!!」
マジに怒鳴った俺に、和美は少し驚いた様だ。
おっきな黒い綺麗な目が、もっと大きくなって、俺を映してる。
最初のコメントを投稿しよう!