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バタン、と乱暴に閉じられたドアを、俺はぼんやり見やった……
しくじった……と、思う。
和美に手を上げるなんて、俺、最低~、はあ~
お腹の中でぐるぐるしてた感情のせいで、やってはイケない事をしてしまった!
俺、和美に、兄どころかちっちゃい弟位にしか思われてないって……わかっちゃって……馬鹿にされている様に思えて……カッとなってしまった!!
最低だ!
俺の馬鹿、大馬鹿!!
あれ程言われてたのに……強く約束させられたのに……破ってしまった!!
……誰に?
あれっ?
えっ?
誰だっけ……?
あれっ?
俺……言われてたのに……確かに約束させられたのに……誰に……?
んと、んーと、なんだっけ?
ああ、そうだ……
“……和泉……”
“……和泉は男の子なんだから、絶対に和美に手を上げてはいけないよ?”
そう言ったのは……誰?
“和美とお母さんを守るんだよ?”
そう言って微笑んだのは……誰?
“約束だよ?”
そう言って指切りしたのは……誰?
……誰?
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