三匹目 レッサーパンダは 惑う!?

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ぼんやりしているうちに、時間がきたらしい。 ピンポンピンポンと、せっかちな呼鈴を押す音がする。 こんな押し方をするのは、絶対たか兄だ。 案の定、開けたドアの向こうにたか兄の長身があった。 今日は非番だから送り迎えしてやる、っとたか兄が言ってくれた。 だから俺には、登校時間に余裕があったんだ。 「上手くいったか?」 問い掛けたたか兄は、俺を見下ろして怪訝な顔をした。 「和泉……泣いてたのか?」 ぷるっと頭を振る俺に、たか兄はそれ以上涙の件には触れないでいてくれた。 「取り敢えず、行くか? 荷物は?」 「ん、あれ」 指し示した先の荷物を見たたか兄は――目を丸くした。 「サンドイッチ……だよな……?」 たか兄が驚くのも、無理ない。 そこにあるのは、20人前を軽く越す大量のサンドイッチが入ったケースの山だから。 「ちょっと思う所あって、それだけ必要なの。 あっ、たか兄、たく兄とおじさんの分も持って帰ってね?」 「タクの分も?」 「うん、今日休みって言ってたから、用意した」
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