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了解した、とたか兄はサンドイッチを運び出す。
たか兄を追って車に乗り込むと、
「お早う」
尊に声を掛けられた。
「お早う」
返す俺を、尊は気遣う様に見つめてくる。
そうか、尊には通じちゃうんだなあ~
でも尊は訊かない、俺も今は語らない。
「ずいぶん作ったね~」
ふっと、大量のサンドイッチを見て、尊は呟く。
「今日は、伊織一派のも用意したからね?」
ふーん、と鼻を鳴らした尊は、やはり 『何故?』 とは訊かない。
「たけちゃん」
「なんだい、いっちゃん?」
「俺、たけちゃんと親友になれて本当に良かった」
俺の言葉に尊は、嬉しそうにふわりと笑った。
「うん、俺も!! いっちゃんと親友になれて、本当に良かった!!」
ガシっと手を握り合う俺達をバックミラー越しに見たたか兄が、
「やっぱりお前達、結婚しちまえ」
なぞと宣ったが、無視だ。
「たけちゃんがいてくれるから、嫌な事にも耐えられるし、立ち直れる!!」
言葉にしなくとも自分を理解してくれる親友がいる――俺って、最高に幸せ者だ!!
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