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「誰、今の?」
川北が問い掛けると、新田は尊を見やって説明する。
「黒岩のお兄さんの1人、崇さんだよ」
「似てなっ!!」
川北の言葉は最もですが、止めて、尊が落ち込むから。
案の定、尊はぐじぐじと鼻を鳴らし、俺に抱きついてくる。
俺は尊の頭を撫でてやりながら、
「たけちゃん、たけちゃんには俺が居るから、ねっ?」
「いっちゃん……わかっているけど、改めて言われると堪えるね~」
「今更、だよ?」
頷く尊と宥める俺に、
「おい」
と伊織が呼び掛けてきた。
「なんで、たか兄が来たんだ?」
「これの為!」
ドン!!――っと、俺は机の上にサンドイッチを置いた。
「これ、伊織達4人の分ね?」
「4人?」
「今日は特別! 夜、メールする。 ちょっと伝えたい事あるから」
「そんな面倒せず、直接言えよ。 家に来い」
有無を言わさない伊織の命令に、一瞬怯んだ俺の背中を尊が軽く叩く。
「伊織、俺もお邪魔するね?」
「わかった」
返して伊織は、サンドイッチの入ったケースを手にして自分の席へ戻って行った。
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