三匹目 レッサーパンダは 惑う!?

11/43

1077人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
「誰、今の?」 川北が問い掛けると、新田は尊を見やって説明する。 「黒岩のお兄さんの1人、崇さんだよ」 「似てなっ!!」 川北の言葉は最もですが、止めて、尊が落ち込むから。 案の定、尊はぐじぐじと鼻を鳴らし、俺に抱きついてくる。 俺は尊の頭を撫でてやりながら、 「たけちゃん、たけちゃんには俺が居るから、ねっ?」 「いっちゃん……わかっているけど、改めて言われると堪えるね~」 「今更、だよ?」 頷く尊と宥める俺に、 「おい」 と伊織が呼び掛けてきた。 「なんで、たか兄が来たんだ?」 「これの為!」 ドン!!――っと、俺は机の上にサンドイッチを置いた。 「これ、伊織達4人の分ね?」 「4人?」 「今日は特別! 夜、メールする。 ちょっと伝えたい事あるから」 「そんな面倒せず、直接言えよ。 家に来い」 有無を言わさない伊織の命令に、一瞬怯んだ俺の背中を尊が軽く叩く。 「伊織、俺もお邪魔するね?」 「わかった」 返して伊織は、サンドイッチの入ったケースを手にして自分の席へ戻って行った。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1077人が本棚に入れています
本棚に追加