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あまりの痛みに喋る事が出来ない俺達は、空缶が激突した額をひたすら押さえるだけだった。
「どれ?」
そんな俺達の手をグイッと無理矢理引き剥がし、痛みに疼く額を見た川北は――
「ぶっ!!」
吹き出すと同時に、大爆笑しやがった!!
「美原、ナイス コントロール!!」
ゲラゲラ笑う川北の後ろで、新田が必死な顔をして笑いを堪えている。
「二本同時に投げて、ピッタリ同じ場所にヒットさせるなんて、流石美原だねぇ~」
ここは俺達を気遣う所じゃないのか!?
伊織を誉める所じゃないだろ!?
「いっちゃん……タンコブ、出来てる……」
尊に言われて触れた額は、確かにぷくりと腫れた感触がした。
だが、尊も俺の事を言えない。
「たけちゃんも、タンコブ出来てる……」
「「い゙だい゙!!」」
涙目になる俺達の額に、そっと新田がヒンヤリする物を貼り付けた。
「とりあえず休み時間までは、冷えピタで我慢して下さいね、師匠?」
「「うん、ありがとう、郁里ちゃん」」
伊織、本当に容赦無いんだから!!
ずきずきする~ぅ、痛いよぉ~。
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