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休み時間になると同時に、俺達はソッコーで保健室に駆け込んだ。
何しろ、ずきずきと痛みが酷い!
真っ青な顔で駆け込んだ俺達を、『保健室の天女』と呼ばれる 小田切 環(オダギリ タマキ) 先生が、呆れ顔で迎えてくれた。
「2人で顔面衝突でもしたの?」
「「衝突したのは空缶です…」」
「空缶? にしても酷いわね、随分腫れてる」
宇宙から落下した空缶に当たったのか、それとも豪腕の野球選手が投げた空缶に当たったのかとか小田切先生は訊きながら、タンコブに湿布を貼ってくれた。
「痛み止めも飲んでおきなさい」
「「あい」」
素直に薬を飲む俺達に、小田切先生はまだ心配顔で、
「少し休んで行く?」
「「あい」」
あまりの痛みに、俺達は素直に従い頷いた。
「あっ、ベッド1つしか空いてないけど――貴方達なら細いから2人で寝ても大丈夫ね?」
どうやら俺達は、ベッドさえも2人で一人前らしい……。
反論する気力もない俺達は、空いてるベッドに潜り込み、溜め息をついた。
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